『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
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“「血糖トレンド」把握の時代へ”
『FreeStyle リブレ』のアボット、血糖変動把握の重要性を強調
「血糖値の『点』の測定だけでは糖尿病患者の状態は判断できず、『線』で見ることが重要だ。日々の血糖トレンドを把握することで、医師も患者も多くの気づきを得ることができる」(アボット ジャパン ダイアベティスケア事業部 マーケティング本部 マーケティング本部長の安藤友彦氏)――。
アボット ジャパンは2018年9月5日、血糖値の日々の変動をきめ細かく把握することを通じて、無自覚性低血糖や急激な血糖値上昇のリスクを低減することの重要性を糖尿病患者に啓発する「血糖トレンドキャンペーン」を開始した。新聞広告やオンライン動画広告を展開するほか、市民講座なども開催する予定。同日、東京都内で記者発表会を開催した。
このキャンペーンは、糖尿病診療で従来重視されてきたHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)に代わり「血糖トレンド」、つまり血糖値の日々の変動をより重視し、その見える化を通じて合併症のリスク低減などにつなげることを促すもの。アボット ジャパンは、500円玉大のセンサーを上腕に貼り付けるだけで血糖値を連続測定できる『FreeStyle リブレ』などの持続血糖測定用デバイスを提供しており、こうしたツールの糖尿病診療での活用を促す狙いがある。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2018年9月10日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、血糖トレンドの把握に関するニュースです。
糖尿病の予備軍は1,000万人以上と言われ、国民病とも言われています。糖尿病は重症化すると様々な合併症を併発することがあるため、医療費の増大にも大きく関係しています。そのため、糖尿病にならないための予防的なアプローチはもちろん、重症化させないための様々なアプローチや取り組みが行われていますが、なかなか目に見えた効果が出ていないのが現状です。
糖尿病は、血液検査で行う血糖値とHbA1cで診断されるのが一般的ですが、この血糖値やHbA1cの数値の他に、血糖値スパイク(食後の血糖値の急上昇と下降)など、血糖値の変動を細かく把握することの必要性があると言われるようになってきました。
からだの状態、例えば体重や血圧も1日のうちでも変動しています。もちろん血糖値も同様で、食事の前後はもちろん食事と食事の間、運動の前後など常に変化しています。これらの変動は生活習慣が大きく関係しています。
血糖値の変化が生活習慣でどう変化するのか確認できると、行動の結果が変化として捉えることが可能になり、すぐに変化を確認できることは、行動を継続するモチベーションにもつながります。
健康診断などの血液検査による血糖値やHbA1cの確認では、生活習慣の改善への取り組みの結果が年に1回など、ある程度の期間を置いてからでないと確認できないことになってしまい、これでは生活習慣の改善の道のりが長く感じる一つの要因になってしまいます。
変動を常に確認でき、行動による変化もリアルタイムで確認できるセンサーや機器は、特に自覚症状が出にくい生活習慣病予備軍向けの「自分ごと」「教育」「理解」という面では、一般的な病気を理解するプロセスよりも効果があるように感じます。
生活習慣病、糖尿病の正しい知識を理解することも重要ですが、その正しい知識と自身のからだのデータを結びつけることがより理解を深めて、行動へとつながるのです。
ニュースの中にあるように、ウェアラブル機器の進化によって、ヘルスケアのデータは「点」から「線」への時代に移ってきているのは確実だと思います。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
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