『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「
今回注目したニュースはこちら!
==============================
“ゲームで薬の飲み忘れを防ぐアプリ、東和薬品とバンダイナムコが開発へ”
東和薬品とバンダイナムコ研究所は、ゲームのノウハウを取り入れた服薬支援ツールの開発に向けて基本合意書を締結した。スマートフォン向けのアプリで薬の飲み忘れを防ぎ、薬が余る「残薬」の解消などを目指す。2021年度中の実用化を予定する。
ある調査では、残薬の金額は年間で約500億円になるという。医療費の観点から社会問題の1つになっている。残薬の理由として「飲み忘れが積み重なった」を挙げる患者が多く、服薬忘れを防ぐことが重要になる。適切に服用しないと十分な治療効果が得られないこともある。手元に残薬があると、他の薬との飲み間違いの原因にもなる。
ゲームの要素を取り入れ、患者に適切な服薬を促す。アプリは患者に無料で提供する。患者の服薬状況を薬局が管理できる機能などを搭載することで、薬局から利用料を得ることを想定している。東和薬品が服薬支援ツールを立案し、バンダイナムコ研究所がツール内のコンテンツやソフトウエアの企画・開発を実施する。この他に、東和薬品グループのTスクエアソリューションズが、服薬情報を管理するプラットフォームの構築と、服薬支援ツールを用いたサービスを企画する。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2020年1月23日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
============================================
『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、東和薬品とバンダイナムコがゲームのノウハウを取り入れた薬の飲み忘れを防ぐアプリの開発に向けて基本合意したというニュースです。
薬の服薬支援については、製薬メーカーはもちろん調剤薬局などで力を入れ、服薬する患者の意識、理解を高める「アドヒアランス」のアプローチも展開されていますが、なかなか効果的な策が見出だせていないのが実情だと思います。
疾病や疾患の維持、改善に向けた服薬なので正しい知識の提供や「病気」に対する真正面からのアプローチが大切なことはわかります。しかしながら、社会問題化されている服薬忘れの実情からすると、やはり正しい知識の提供や「病気」に対する真正面からのアプローチだけでは、「服薬」という行動を生活習慣の中に継続して入れ込むことは難しいのだと思います。
やはり、「服薬」という行為、行動を継続するためには、きっかけづくりや環境作り、また別の切り口からのアプローチが必要なのです。
「疾病や疾患の維持、改善」=「服薬」の正攻法のアプローチは崩さず、「服薬」という行為、行動を継続してもらうための別のアプローチを組み合わせていく必要があると感じています。
今回の「ゲームのノウハウを取り入れた薬の飲み忘れを防ぐ」というアプローチもその1つだと思います。今回のニュースではアプリ開発に向けて基本合意したまでで、実際には2021年度中の実用化を目指しているとのことです。
これまでの服薬支援とは一線を画すアプローチでリリースされることを楽しみにしたいと思います。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、
Comments are closed.