『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“AIによる自動栄養計算や体重予測で顧客のダイエット成功をサポート!エステ施術と相乗効果を目指した食事管理の新システムをエステサロン向けに開発”
―9月16日より提供開始!初期導入費(200,000円)無料キャンペーン中―
食事・運動・バイタル管理アプリ「カロミル」の開発・提供をするライフログテクノロジーは、エステティックサロンなど向けに『カロミルアドバイスforビューティー』を本格的に発売開始します。本サービスはエステティックサロンや該当するサービスを提供する企業や個人向けのもので、顧客の食事・運動・バイタルの管理・指導がオンラインで手軽にできるサービスです。当社開発のAIが顧客のカロミルアプリ内に記録された食事やバイタルデータを自動で解析し、栄養計算や食事指導、体重予測をします。顧客はアプリ内に食事やバイタルデータを記録するだけ(写真を撮るだけ)なので、わざわざエステティックサロン担当者に食事やバイタル情報を送る必要がなくなります。また、担当者も食事記録をみた栄養計算などの手間が省け、AIが解析したデータを用いてより細かく、顧客の食事など日常生活の管理に役立てることができます。
【サービス開発背景】
矢野経済研究所の調査によると、エステティックサロン業界の市場はここ10年横ばいで、フィットネスジムなどと競合する非常に厳しい業界となっています。かつ、新型コロナウイルス禍の自粛生活を経て「セルフエステ」として、自分でエステをする人たちも増えました。そのような中、エステティックサロンは店舗だからこそできるサービスや、施術レベルの向上、プラスアルファのサービスに力を入れており、その一つが「顧客の日常生活のトータルマネジメント」、特に「食生活の管理」です。
ダイエットや体型維持において、痩身マッサージなどを利用するのと同時に重要なのは食事管理です。カロリーや糖質をコントロールしたり、必要な栄養素を適量で食べるなど、食事を上手にとることがダイエット成功のカギを握るといっても過言ではありません。
エステティックサロンでは、食事や運動など生活全般のトータルマネジメントで、顧客のダイエット成功や体型維持を目指しています。一方で、食事や運動情報はメールやSNSで共有するしかなく、ユーザー側の手間などからなかなか続かないという声や、エステティックサロン担当者からは実際の食事に伴う細かい栄養計算や食事指導はできていない(大まかな食事指導のみとなってしまう)という声が上がっていました。
日常生活情報(ライフログ)を自動的にデジタル化できる機能を実装した「カロミル」は、顧客の記録する手間を省き、簡単に健康情報を記録することを可能にしました。『カロミルアドバイスforビューティー』は、目標達成を目指して併走するエステティシャンと顧客のためのコミュニケーション補助ツールとなることを期待しています。
プレスリリースはこちら(ライフログテクノロジー株式会社、2020年9月16日発表)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、ライフログアプリの新しい活用、展開に関するニュースです。
ライフログアプリは、BtoC向けでは記録ツールという位置づけが強いですが、BtoBtoC向けの場合には、サービス提供者側と顧客との情報共有、コミュニケーションツールという位置づけが強くなってきます。しかし、これまで施設を中心とした対面型のサービスを提供している企業や専門家にとって、顧客とのデータの共有やコミュニケーションをオンラインで行おうとすると、自前でアプリや仕組みを準備しない限り、いろんなアプリやツールを組み合わせて活用することになるため、提供者側も顧客にとっても使い勝手が悪くなってしまいます。
そんな悩みを持つサービス提供者にとって手軽に始められるコミュニケーションツールという位置づけが、今回のニュースの『カロミルアドバイスforビューティー』なのだと思います。
今回『カロミルアドバイスforビューティー』を提供開始したライフログテクノロジー社では、既存の「カロミル」を活用して既に「カロミルアドバイスfor保健指導」「カロミルアドバイスforトレーナー」など、指導する専門家別に展開をしています。
ライフログアプリの入力データや分析、そしてアドバイス、レコメンド機能などの基本機能は大きく変えずに、それぞれ活用する専門家や指導のアプローチによって、データの活用方法やコミュニケーションをそれぞれの専門家が変化させていくのだと思います。
指導する専門家にとってライフログアプリを活用することで、リアルタイムに顧客のデータを把握することができ、またデータの分析の手間も省けるので、作業の負荷は大幅に軽減できます。
しかし、アプリを通した実際のコミュニケーションでは、継続を促し、モチベーションを高めてゴールに導く対面の指導とは異なるオンラインならではノウハウやコミュニケーションスキルが必要になってきます。
このコミュニケーションの部分まで自動化でうまく機能しているオンラインのサービスはまだ見当たりません。専門家と顧客をつなぐアプリは、現時点ではサービス提供者や専門家と顧客のデータ共有とコミュニケーションを行う「場」として機能している状況で、本来のコミュニケーションは専門家任せになっているのが現状多いと思われます。
しかし、専門家によるコミュニケーションの価値を見極めていきながら専門家の出番を減らしていくことが、逆に専門家の専門性が生きてくるポイントではないかと感じています。専門家と顧客とのオンラインのコミュニケーションは、これまで以上にシステム化の流れとコミュニケーションスキルの向上の両面が求められてくると考えています。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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