『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“トイレで心地いい「ほんのひと休み」を。個室内でトイレ利用者の体験を向上させるコンテンツを配信開始”
〜新たな試みとして塩尻市とのコラボレーション動画を放映〜
トイレの長時間利用抑止IoTサービス「AirKnock Ads」を提供する、バカンはトイレ利用体験の価値向上を目的とし、トイレで心地いい「ほんのひと休み」を提供する「On-AirKnock」チャンネルの配信を4/1(金)より開始します。配信はAirKnock Adsが導入されたオフィスや商業施設、コンビニのトイレで行われます。
■動画を活用し、トイレ利用体験の価値向上を目指す
今回の取り組みは、バカンが提供するトイレの長時間利用の抑止サービス「AirKnock Ads」を活用し、トイレ利用体験の価値向上を目指すものです。「まいにちに、心地いい「ほんのひと休み」を。」をコンセプトに、トイレ内に設置された小型ディスプレイを通してトイレ利用者に様々なジャンルのコンテンツを配信する、「On-AirKnock」チャンネルを4/1(金)より開始します。
「On-AirKnock」チャンネルでは、日常で利用できるワンポイント英語やストレッチといった、利用者にとってより良いトイレ体験の提供を目的とした約30秒の動画コンテンツを提供してまいります。4月1日からトイレ利用者のリラックス体験の創出を目的として、自治体との連携コンテンツの配信を開始します。第一弾は長野県塩尻市、NPO法人MEGURU、一般社団法人ONE Xと連携し、重要伝統的建造物群保存地区にも登録されている同市の町並みや同市の自然をテーマにした動画となってます。利用者のリラックスだけでなく、自治体にとっても関係人口の創出や観光機会の増加といった点への寄与も期待できます。
なおAirKnock Adsでは弊社がもつ混雑抑制に関する特許技術などを複数用いることで、動画を配信しつつトイレの長時間滞在の抑制も実現しています。
【On-AirKnockチャンネルで配信しているコンテンツ】
・健康系コンテンツ:
ホリプロデジタルエンターテインメントと協業し、肩こりや顔のむくみ解消を目的とした直ぐにできるストレッチといったコンテンツを独自配信しています。
(参考情報はこちら)
・語学系コンテンツ:
ワンドロップスと連携し、日常会話で使える英単語などをクイズ形式で学習できるコンテンツを提供
・リラックス系コンテンツ:
利用者の方が「ほっとひと息」をつける動画を、全国の自治体と連携し提供
※コンテンツの種類は今後増やしていく予定です。
プレスリリースはこちら(株式会社バカン 2022年3月29日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、トイレ利用体験の価値向上に向けて、トイレで心地いい「ほんのひと休み」としてストレッチなどの動画コンテンツを提供するニュースです。
行動経済学や行動科学分野において、人々が強制によってではなく自発的に望ましい行動を選択するよう促すシグナルまたは仕組みのことを「ナッジ」と言いますが、今回のニュースのトイレの中でのストレッチ動画の提供は、この「ナッジ」にも関係していると感じています。
この「ナッジ」という仕掛けはヘルスケアの領域でも使われており、特に健康無関心層の人達に対して健康に触れる機会を提供するという位置付けても活用されています。
健康に対して無関心な人達に向けて、健康ど真ん中のアプローチをしても見向きもしてくれません。
しかし、例えば道路上に歩幅の目安のラインが引かれていたとすると、無意識に自身の歩幅と比べてみたりしてしまうものです。
このように、理由はともかく健康ということを意識せず、試してみるような仕掛けが「ナッジ」であって、健康に触れる機会を通して健康への意識を少しずつ変化させていく流れにつながるのです。
今回のニュースのトイレの中でのストレッチ動画の提供と同じように、社内の個室のトイレにストレッチのやり方をイラストと手を置く位置のガイドといっしょに掲示したところ、実際にトイレの個室でストレッチを試す人が多かったという実験を見たことがあります。
この実験の結果の中でポイントになっていたのが、トイレの個室といった密室空間で、誰の目も気にしなくて良い環境の方がストレッチなどを試してみる確率が高まるということでした。
トイレの個室という一人の環境の中でこっそり試してみるという心理は、確かにあると思います。
今回のトイレの中でのストレッチ動画の提供を含めて、健康に触れる機会をどう作り出していくのかという視点では、トイレを活用した情報提供の可能性を感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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