『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ “走るだけ”で安く買える!? RuntripマイルをECクーポンと交換できる機能をリリース ”
ランニングを楽しむ人々へ向けたサービスを展開するラントリップ社は、総合ランニングアプリ「Runtrip」にて、貯まった「Runtripマイル」をユーザーが任意のタイミングで「Runtrip Store」で利用可能な割引クーポンに交換できる機能の提供を開始しました。
走って貯めたマイルを好きなときにクーポンと交換
ラントリップは、「もっと自由に、楽しく走れる世界へ。」というビジョンのもと、人々がランニングを楽しく続けられるサービスの提供を目指しています。そのために、経済的な利得性といった“外発的な動機”と、達成感・自己肯定感・人との繋がりといった“内発的な動機”の2つが重要になると考えています。
総合ランニングアプリ「Runtrip」では、ランニングを計測することで独自のポイント「Runtripマイル」が貯まり、抽選で毎週コーヒーやドーナツなどの賞品が当たる機能を提供することで”利得性”を、ランニングのログを投稿すると第三者から賞賛が集まるSNS機能の提供によって、”繋がり”を提供してまいりました。
今回の新機能リリースにより、抽選ではなく、自身の好きなタイミングで必ず割引クーポンを入手でき、お好きなランニングアイテムをおトクに購入することができるため、より一層「走ること」で経済的なインセンティブを得られるようになりました。
Runtrip Storeにてランニングシューズの取り扱いを拡充
さらに、この春からRuntrip Storeはランニングシューズのラインナップを拡充し、主要メーカーの人気商品も多数取り扱っております。これまでオリジナルアイテムを中心に展開をしてまいりましたが、ランニングシューズの取り扱いスタートによって、より多くのランナーの多様なニーズに応えることが可能になりました。
ラントリップではランニングに関するオリジナル動画コンテンツを「Runtrip Channel(YouTube)」にて配信し、2024年6月現在累計2200万回以上ご視聴いただいており、特にランニングシューズのレビュー動画は人気コンテンツとなっております。技術進化が目覚ましいランニングシューズの領域において、多くのランナーが自分にあったランニングシューズを選ぶ上での後押しに貢献してまいりました。
こうしたメディア機能を持つ弊社が目利きしたシューズやギアが「Runtrip Store」にセレクトされており、Runtripユーザーの皆様はアプリや接続したウェアラブルデバイスを使ってランニングをすることで、お好きなアイテムをおトクに手に入れることが可能になりました。このたびのサービス拡充をはじめ、今後もより多くのランナーが”もっと自由に、楽しく走れる”ことを目指して、事業を展開してまいります。
プレスリリースはこちら(株式会社ラントリップ 2024年6月20日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目したのはランニングアプリで、ランニングを計測することで走った分のECクーポンがもらえ、そのクーポンがランニングシューズなど、ランナーのニーズに応えた賞品と交換できる機能が追加されたというニュースです。
ランナー向けのランニング記録のアプリは、数多く提供されており、Nike Run Clubやリストバンド型の機器と連動したAppleのフィットネスアプリ、Garmin Connect アプリなどがあります。
ランニングアプリとして以前から人気があった「Runkeeper」や「Runtastic」は、現在はスポーツブランドに買収されて、スポーツブランドのラニニングアプリとして提供されています。
・「Runkeeper」→ Asicsが2016年に買収
・「Runtastic」→ Adidasが2015年に買収
スポーツブランドのフィットネス系のアプリを買収して囲い込みをする動きは、AdidasとAsicsの他にも、Under Armourが「MyFitnessPal」を2015年に買収するなど、大手スポーツブランドは、ランニング、フィットネスの利用者が既に利用しているアプリを買収し、利用者と自社商品との新たな接点づくりに向けた動きを模索してきました。
しかし、これまでのスポーツブランドのフィットネス系のアプリの囲い込みからの展開は、なかなか当初の想定通りの結果に結びついているとは言えない印象で、Under Armourは2020年に「MyFitnessPal」を売却しています。
各アプリの利用者は、ランナーやフィットネスの愛好者であることは間違いないのですが、だからといって全ての人がそのブランドの愛好家ではなく、またアプリを利用しているランニングやフィットネスの愛好家にとって、商品、ギアが中心ではなく、トレーニング方法や仲間との共有、競争などを含めたランニングやフィットネスを楽しんでいるため、スポーツブランドが当初描いていたアプリの囲い込みからの自社商品の販売へのつながりは、期待外れだったのではないかと思います。
今回のニュースのRuntripは、あくまでもランナーがランニングを楽しむための基本機能として、記録、コミュニティ、コース紹介、動画などを提供し、それにプラスして今回、マイルをECクーポンと交換できる機能を追加したということで、取り扱いを開始したランニングシューズを見てみても、ブランドの縛りはなく、複数ブランド、特に最近人気のブランドもラインナップされています。
やはり、ブランドに縛られるよりも、好きなブランドを選べる方が、利用者にとっては、獲得したインセンティブの魅力がアップします。
多くの利用者が存在するアプリを大手ブランドが買収し、自社商品の販売につなげようという狙いは間違いではないですが、やはりアプリ利用者がアプリになにを求めて、なにを楽しんでいるのかを中心に、そのリレーションを活かした展開を考えていかないと物売り先行のリレーションに見えてしまうのです。
せっかくの利用者との接点を活かすためにも、利用者の視点でリレーションを作っていくことが大切です。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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