『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ 【世界アルツハイマー月間】ライフネット生命が聞きました 「認知症、ジブンゴト化してますか?」 ”
自分が将来認知症になると考えている人は約16% 国に期待する認知症対策は「治療薬の開発」「早期発見の促進」「介護施設の整備」など
ライフネット生命保険は、この度、20~60代の男女計1,000名を対象に、「認知症に関するアンケート調査」をインターネットにて実施しました。その調査結果をお知らせします。
■ 調査概要 ・調査タイトル:「認知症に関するアンケート調査」
・調査対象:20~60代男女 各100名
・調査方法:ウェブアンケート
・調査地域:全国
・調査実施時期:2024年8月
・調査実施機関:マイボイスコム株式会社
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しています。
調査結果の概要
■認知症について
身近な人が認知症になった経験がある人は約4人に1人の割合。一方で、全体の約84%の人は自分自身が認知症になるとイメージしていない。
● 家族や親族など身近な人が認知症になった経験がある人は24.3% 2025 年には65歳以上の5人に1人が認知症になる※といわれていることを 知っているのは41.3%
● 自分が将来認知症になると考えている人は16.4%
● 認知症になった時にお金がかかると思う内容は「医療費」「施設入居代」「介護関係」などが挙がる
※出典:内閣府「平成29年版高齢社会白書」
■アルツハイマー型認知症の理解について
回答者全体の約9割が名前を「聞いたことがある」一方、「よく理解している」と答えた人は6.1%にとどまる。アルツハイマー型認知症の原因の1つといわれる『アミロイドβ』が脳内に溜まり始める時期について、理解していない人が約7割。アルツハイマー型認知症が長い期間をかけて進行することは認識されていない結果に。
● アルツハイマー型認知症の名前を知っている人は 87.8%、「よく理解している」と答えた人は6.1%
● アルツハイマー型認知症を理解している人のうち、原因の1つの『アミロイドβ』が脳内に溜まり始める期間が「20年以上前」からと知っていた人は31.6%
■国の認知症に関する啓発活動について
日本の人口の5人に1人が75歳以上になるといわれている『2025年問題』は7割以上の人が認知している一方、「認知症基本法」を知っている人は2割未満。 国に期待する認知症対策については、認知症と診断された方が身近にいる/いないにかかわらず、「治療薬の開発」や「早期発見の促進」、「介護施設の整備」などの声が挙がる結果に。
● 日本の人口の5人に1人が75歳以上になるといわれている「2025年問題」を 知っていた人は72.8%。深刻な問題だと思う人は78.8%
● 「認知症基本法」を知っていた人は18.9%
調査結果の詳細
■認知症について
● 家族や親族など身近な人が認知症になった経験がある人は24.3% 年代が高いほど割合が高く、男性60代で31.0%、女性60代で35.0%
● 自分が将来認知症になると考えている人は16.4% 認知症と診断された家族や親族が1人いる人では22.9%、2人以上いる人では33.3%
● 2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれていることを知っているのは41.3%。 認知症と診断された家族や親族が1人いる人では58.2%、2人以上いる人では66.7%
● 認知症になった時にお金がかかると思う内容は「医療費」「施設入居代」「介護関係」など
プレスリリースはこちら(ライフネット生命保険株式会社 2024年9月19日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目したのは、ライフネット生命が20~60代の男女計1,000名を対象に実施した「認知症に関する アンケート調査」に関するニュースです。
認知症は、健康分野の中でも誰もが認識し関心が高いテーマの一つでありながら、予防の観点では、これと言ってソリューションの提供が進んでいない分野です。
例えば、認知症予防に向けて「脳トレ」のゲームなどが提供されていますが、認知症対策として積極的に利用されているかというと、そこまでではない印象です。
今回の調査結果の中で注目したい点としては、「自分が将来認知症になると考えている人は16.4% 」という数字の低さです。
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれている状況の中でも、自分だけ大丈夫で5人に1人には入らないといった、他人事であって自分ごと化されていないということです。
これまでにも、様々な認知症予防に向けたサービスやアプローチが提供されてきていますが、どれも大きな注目が集まらないのは、やはり認知症は当事者意識が低くいため、予防への意識が働きづらいということだと思います。
この認知症予防への意識の低さは、加齢に伴い症状があらわれるフレイルとロコモも同じで症状が出てからではなくその前の予防が大切なのですが、なかなか当事者意識が持てず、予防という意識が高まらないのと同じではないかと感じています。
加齢に伴い発症が増える認知症やフレイル、ロコモの当事者意識の低さや自分ごと化され難い状況は、生活習慣病予備軍の人達の当事者意識の低い人達と通じる部分があるような気がしています。
発症してから慌てるのではなく、やはり予防が重要であるにも関わらず、行動に移せない原因の一つが当事者意識が持てない、自分ごと化されないということなんだと、今回の調査結果をみて、あらためて強く感じました。
当事者意識を持ってもらう、自分ごと化してもらうことが難しいケースでは、やはり別の入り口、別アプローチで行動に結びつける必要性を強く感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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