11月末日、ソフトバンク子会社のヘルスケアテクノロジーズ社による新規事業発表会が開催されました。mHealth Watchも参加し、新たに個人向けサービスとして提供される『HELPO』についてお伺いしました。(取材・文:渡辺武友)
ヘルスケアテクノロジーズの役割
(代表取締役社長 兼 CEO 大石怜史)
国内の医療費は2040年には78兆円まで増加すると言われ、皆保険では賄えきれない状況となってきた。ヘルスケアテクノロジーズはこの課題に対応し、次世代に負の遺産を残さないようにしていきたい。
ヘルスケアテクノロジーズとしては「誰もが意識せずに健康になれる世界」を実現していきたい。
ではヘルスケアテクノロジーズとして何ができるのか?株式会社である以上、直接医療に携わることはできない。そこで「未病で行動変容を起こす」取組として『HELPO』を立ち上げ、法人や自治体向けに2020年7月より提供をはじめた。
『HELPO』を提供しはじめたときが、ちょうど新型コロナ感染増加がはじまった時期だった。新型コロナによって健康への意識が大幅に増加するも、どのように医療機関に相談すればよいかわからない状況となった。
我々は『HELPO』を通して、健康に関する様々な悩みをオンラインで解決するため、チャットによる健康医療相談、オンライン診療の受診(夜間、休日対応)、オンラインでの医薬品販売などを提供してきた。
今までは法人、自治体向けに提供してきたが、今年11月から個人向けにも提供を開始することとなった。今後は皆様のホームドクター、ファミリードクター(かかりつけ医)となれるようサービスをより向上させていきたい。
『HELPO』の特長
(CSO 鴻池大介)
『HELPO』の他社との違いは、医療従事者をはじめ専門職を自社で雇用していること。その専門職が24時間365日、チャットによる健康医療相談を直接対応している。初回応答は30秒以内に行う。
チャットでの相談の上、オンライン診療が必要となれば、通常は予約ができるまでのサービスが多いが、『HELPO』は(疾患、症状により)すぐに受診ができる。医療に関する決済、処方薬の配送手配など『HELPO』内で行うことができる。
ECサイトの「HELPOモール」では、東京23区であれば最短3時間で一般医薬品や健康食品などを届けることもできる。
ヘルスケアテクノロジーズはソフトバンクのグループ会社ではあるが、マルチキャリアに対応し、月額550円で提供する。
オンライン診療は普及するのか?
お二人からの説明の後、トークセッションが行われ、オンライン診療の現状に関するアンケート調査が紹介されました。特徴的な傾向を2つ紹介します。
- オンライン診療の認知は88.9%もあるが、オンライン診療を実際に使ったことがあるのは8%に留まる
- オンライン診療未経験の45.2%は利用したいと思い、54.8%は利用したくないと回答
世界的に新型コロナをきっかけとしてオンライン診療の導入が進んだはずですが、国内の状況はまだまだで、知っているけど使ったことがないのが現状です。
今後の普及に関しては、ソフトバンクの店舗が窓口となっていくとのことでしたが、追加質問した際に大石氏から、地方で病院に行けず困っている方に利便性を伝えること。また都市部でも医療機関を使うか躊躇してしまう人が7割を超えることからも、気軽に相談できる安心感を届けていきたいと補足していました。
今後のオンライン健康医療相談、オンライン診療の普及が期待されます。
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