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選挙の行方はどうなっていくのか? 政権が交代した場合、モバイルヘルスや遠隔医療の進展に影響が出るのだろうか?
現時点で、なんらかの評価を下すことは容易ではない。いわゆる「オバマケア」の問題は、共和党が数ある政策課題で最重要のひとつとして掲げてきたのだが、現実に多数派となった今、オバマ大統領が熱心に推進する医療改革パッケージは、もはや後戻りさせることは叶わない、との認識が拡がっている。議会が精一杯うまくやれば、一度決めた方針に沿いながら疑問を抱く民衆を鎮めるために小さな軌道修正を加えることになるだろうが、下手をすれば、議会もホワイトハウスもひっくり返って身動きが取れなくなってしまうだろう。
打撃を被るのはメディケイド(公的保険制度)だ。医療保険制度改革法により、保険プログラムに加入する人々は拡大したが、これに反対する州は23にのぼる。費用がかかり過ぎて連邦政府は早晩これを支えきれなくなるから、というのがその理由だ。共和党が州知事に加え、連邦議会でも州議会でも勢力を伸ばした今、メディケイドに反対する動きは今後も続き、おそらくはより大きくなるだろう。
こうした状況は、mHealthの行く手をも左右する。医療界のリーダーたちは、これまでモバイル機器を利用した遠隔医療について、メディケア(高齢者医療保険制度)やメディケイドにより、医療費の払い戻しがさらに鈍る場合を除いて発展することはない、と主張してきたが、多くのパイロットプロジェクトの結果を見る限り、これはコストを削減して医療保険の利用を促進する効果を持ち、医療業界としても歓迎すべき効果を見せている。つまり、mHealthの利用は医者たちにしてみれば、今まで十分な医療を受けられなかった人々からの収入を増やすものではないにせよ、この新しいテクノロジーは従来の顧客層に対してはより充実した医療を提供して収益を上げられる手段に見えてくるのだ。医療費の払い戻しが容易になることはなく、今後むしろ難しくなるかもしれないが、それによってmHealthの擁護者たちはますます医療が儲かるものになる、と確信することだろう。
記事原文はこちら(『mHealthNews』11月5日掲載)
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