『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“CES2015からデジタルヘルスニュース”
昨年のCESでは、健康デバイスは大きな話題だった。「CES 2015」におけるヘルスケアデバイス関連ニュースを総括すると、MobiHealthNewsのチームは、昨年のイベントのほうがより大きく派手なローンチが多かった、という結論に達した。2014年は大手のコンシューマー向けメーカーがヘルスケアデバイスを発表し、CES参加者の多くが初めてヘルスケアデバイスについて知ることになった年だった。今回のイベントでも、小~中規模の新規参入者からの新しい発表が行なわれた。2014年がCESにおけるデジタルヘルスのピーク年だったかもしれない一方で、今年のイベントで行なわれた議論は、より地に足がついたものだった。
CES主催者は、2015年内に2,000万の健康・フィットネス関連のウェアラブルデバイスが販売されると予想する。CESを開催するCEAは、多くの消費電化製品カテゴリーの数年内の予測を発表した。ウェアラブルデバイスに関するプレスリリースでは、主催者は特に強気だった。「ウェアラブルデバイスの革新こそが、これから数年内、特に2015年に注目するべきカテゴリーです。CEAは2015年全体でウェアラブルデバイスは3,090万ユニット分(昨年比61%増)、51億米ドルの売上(133%増)を予想している。CEAのウェアラブルデバイスカテゴリーは、フィットネスバンドや他のデバイス、スマートウォッチ、スマートアイウェアを含みます」。
CEAは、活動トラッキングデバイスの売上が好調のため、健康・フィットネスに関するウェアラブルデバイスカテゴリーは、予想される2015年中の2,000万ユニットの売上を達成するだろう。サブカテゴリーからの売上は、18億米ドル以上にのぼるだろう、と予測した。
記事原稿はこちら(『mobihealthnews』1月9日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
今年も世界最大級のコンシューマ・エレクトロニクスの見本市『2015 International CES』(以下「CES 2015」)がラスベガスにて開催されました。今年こそ現地に取材に行こうと思っていたのですが、残念ながら調整できませんでした。…来年こそは! と思いながら海外のニュースサイトでCES情報をチェックしてました。今回はMobiHealthNewsが「CES 2015」をまとめていたので、そちらを紹介します。
MobiHealthNewsがまとめているように、去年に比べてヘルスケア関連で目立ったものは少なかったように思います。以下にニュース内にあるヘルスケアピックアップ記事をいくつか紹介します。
HIMSSグループはFitbitに対し、収集したデータを安全な方法でシェアすることを提案。Connected Health AllianceのVPで、ContinuaのエグゼクティブディレクターであるRob Havasy氏は、「今週のCESで見られたように、活動やフィットネスをトラックするウェアラブルデバイスを含むヘルステクノロジーには、消費者からの大きな需要があります。我々は、消費者が心拍数などの重要な指標を追跡するために大切なツールを開発しているFitbitや他の会社に敬意を示します。次に行なうべきことは、消費者が個人の健康データを医療従事者、介護士、家族、社会的ネットワークと共有できるようにすることです。安全で、使いやすい方法が必要です」と声明で述べた。Havasy氏は、Fitbitや他の同業者は、Continuaの技術ガイドラインを適用し、「一連のヘルスケア情報をユーザー全体に渡って」使いやすく安全な接続を提供し、「ヘルステクノロジーの世界にもプラグ&プレイの規格を広めていくべきだ」と話した。
Intelは、視覚障害を持つ人たちのためのジャケットを披露。キーノートにおいて、Intelは非常に正確な3Dカメラ『RealSense』の様々な使い方を詳しく説明した。(広告受けの良さそうな「セルフィー用ドローン」も含む)。CEOのBrian Krzanich氏によると、あまり語られることのないカメラの使用方法のひとつに、視覚障害者の援助を挙げた。IntelのDarryl Adams氏が開発したRealSenseカメラと触覚フィードバック発生器を装着したジャケットを開発。CNETの取材に対し、「視覚障害のため、私はいつもなんとなく不安な状態で生活してきました。この技術を使うと、本当に重要なことに意識を集中できるのです」と語った。
Misfitは太陽光発電のアクティビティトラッカーを紹介した。Misfitは、『Shine』と『Flash』シリーズのメーカーで、SwarovskiとShineシリーズの新バージョンを共同開発。これらにはクリスタルが施され、同社の磨き上げられたアルミニウムのデバイスというより、ジュエリーのような外見が特徴だ。そのひとつ『violet Swarovski Shine』は、太陽光で充電可能。日光やLED光、ハロゲンライトにより、端末を動かせる。
MobiHealthNewsのニュースには、この他にもヘルスケアに関して紹介されたものを多くまとめてくれているので、記事元をご覧ください。
さて、冒頭に「昨年に比べて目立ったものが少ない」と書きました。ヘルスケア関連の機器は、どうしてもデータの取得がメインとなります。しかしユーザー視点では、どう健康課題を解決してくれるかを重視します。現在、米国市場では次のステップとして、ヘルスケア機器とサービスをどう組み合わせるかに取り組んでいます。
革新的な計測技術も必要ですが、健康課題を解決するための取り組みも機器とセットで考える時が来たのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器の研究を行ない、健康ビジネスメディア「ヘルスビズウォッチ」を中心に海外のトレンド情報などを発表している。
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