『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“App Annie、2020年モバイルアプリ市場は約11.3兆円、中国がDLのけん引役”
App Annieは、2015年から2020年までの世界のアプリ市場に関する市場予測をまとめた「モバイルアプリ市場レポート」を発表した。App Annie は、世界規模のアプリの市場データと分析ツールを提供。これまでもアプリ市場に関するレポートを発表していたが、同社が“この先の予測”といった形のレポートを行うのは初めてとなる。
そのレポートによれば、世界のモバイルアプリストアにおける収益総額は、2015年から2016年の1年間で24%増の509億ドル(約5.7兆円)となり、2020年には1011億ドル(約11.3兆円)に達する見方を示した。ことアジア太平洋地域におけるアプリ収益は、中国市場の成長にけん引される形で、2020年には2.5倍に成長し、575億ドル(約6.4兆円)に達すると予測している。
なお、ここでいう収益は、有料アプリのダウンロードやアプリ内課金といったアプリストアを通じて直接支払われるものだ。例えばアプリで情報収集を行い、実 際の店舗で物品を購買したり飲食したりするような、アプリストアの外側で決済される収益は含まれない。
アプリストア別の収益については、現在トップとなっているApp Storeが、2015年の2倍となる448億ドルでトップの座を維持し続けるだろうと予測。ただし、Google PlayとサードパーティのAndroidストアを合わせた収益は2020年で557億ドルを見込み、App Storeを超えると見ている。
記事原文はこちら(『CNET Japan』2016年2月13日掲載)
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『mHealth Watch』の視点
今回はモバイルアプリ市場全般に関するレポートになります。カテゴリー別に見ても、世界的トップはやはり「ゲーム」です。全アプリの85%以上を占めます。残念ながら、ヘルスケアは「その他」で括られています。
今回、皆さんと共有したいのは、モバイアプリの市場規模です。「そもそもアプリって儲かるの?」と思うことがないでしょうか? iPhoneが広がり出した2009年頃ですと、ヘルスケアランキングの上位の有料アプリでも月数百万の収益があったと言われます。しかし、数年で1/10程度になったと聞くことがあります。
ではなぜこれほどモバイアプリの収益総額が上がっているのか? やはり、アプリを利用するユーザーの動向を予測し、お金が払いやすいポイントを設けているためだと思います。それは答えがあることではなく、複数のアプローチをすることで見つけています。
さて、ヘルスケアの現状はどうか? ひとつはApp Storeのヘルスケアカテゴリーを見ていくと、「トップセールス」があります。そこの上位にいるダウンロード無料アプリには、お金を払いたくなる仕掛けがあります。先行する身近な事例から学んでみるのも良いと思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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