『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ほとんどスマホな無線ヘッドホン『Vinci』–音声アシスタントやクラウドを利用”
ヘッドホンは音楽を聴くためのガジェット、という思い込みを覆すデバイス『Vinci』が、クラウドファンディングサービスKickstarterに登場した。見た目はヘッドホンだが、スマートフォンを装着しているような機能を提供してくれる。
『Vinci』は、各種操作が音声コマンドで実行できるワイヤレス対応ヘッドホン。3.2インチ画面を使ったタッチ操作にも対応している。
音楽を聴くだけでなく、3Gネットワークや無線LAN(Wi-Fi)経由でインターネット接続し、さまざまなオンラインサービスやクラウド環境にアクセスできる。さらに、プロセッサやストレージメモリ、マイクなども搭載し、音声アシスタントとしても機能する。もちろん、通話も可能だ。
単体でインターネット接続できるため、利用する際にスマートフォンと連携させる必要はない。また、BluetoothやUSBでスマートフォンと接続できる。
さらに、加速度計、ジャイロ、近接センサ、心拍センサ、GPS、電子コンパスなども内蔵しており、アクティブトラッカーなどの機能も提供する。
記事原文はこちら(『CNET Japan』2016年11月22日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点
今回紹介するのは、Kickstarterで目標金額5万ドルの4倍近くとなる約19万3,000ドルの資金を集めているワイヤレスヘッドホン『Vinci』です。スマホ機能が備わったヘッドホンと考えるとわかりやすいかもしれませんね。
このヘッドホンの新しさは、デバイスとのコミュニケーションのあり方を更新した点ではないでしょうか。
ご覧のようにモニターは耳の側面に付くことになります。利用者が見ないことを前提にした作りです。利用者は画面を見ながら操作するのではなく、音声入力とタップによって行ないます。タップといっても、音声案内に対して答えることになるので、音声でのやり取りがメインとなっています。
また、モニターが側面にあることで、周りの人に見せる、新たなコミュニケーションのあり方を提案しています。
モバイルヘルス的には、アクティブトラッカー機能が備わっていることがポイントですが、今後このような新しいウェアラブルデバイスが登場すると、アクティブトラッカー機能はメインの価値ではなく、オマケとして備わるものとなるのではないかと思います。
オマケだからこそ、今までアプローチできなかった人に気づきを与えたり、新たなヘルスケアコミュニケーションが生まれるチャンスとも捉えることができます。
『Vinci』が提供する新たな操作方法、コミュニケーションスタイルを踏まえ、今までとは違うヘルスケアサービスの提供の仕方をアイディエーションしていくと、次なるビジネスチャンスを発見するのではないでしょうか。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ITヘルスケア学会 モバイルヘルスシンポジウムで講演を行う。
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