『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Kaia Health、ユーザーが完璧なスクワットを達成するのに役立つAIアプリ『Perfect Squat Challenge』”
ロンドンに本社を置くKaia Health社は、AIに基づくモーショントラッキング技術を取り入れた『Perfect Squat Challenge』アプリを発表した。『Perfect Squat Challenge』は、アプリがパーソナルトレーナーの役割を果たし、ユーザーのスクワットのフォームにリアルタイムでフィードバックを提供するというものだ。
Kaia HealthのAI Labの責任者Maximilian Strobel氏は、「AIによるモーショントラッキング技術と補正技術における進歩によって、今や誰しもが自身のiPhoneで仮想のパーソナルトレーナーや理学療法士を利用でき、そしてスクワットのような運動を完璧にできるようになりました。将来、この技術は我が社の、拡張性があり費用対効果の高い治療ツールと、背中の痛みの軽減やCOPDなどの様々な疾病のための医療機器アプリと一体化します。これにより質の高い、個々人に合わせたフィットネスやリハビリテーション、理学療法が誰にでも利用できるようになり、医療サービスの負担を軽減できます」と声明で述べた。
ユーザーはスマートフォンをテーブルの上か、壁に向かって真っ直ぐに立てかけることから始める。次にユーザーは画面から約7フィート離れた位置まで移動しなければならない。
ユーザーがアプリを開くと、社名と同じKaiaという名の仮想のパーソナルトレーナーに指導してもらえる。パーソナルトレーナーはスクワット運動のやり方をユーザーに詳しく教えてくれる。スマートフォンのカメラストリームを通じて、アプリはユーザーの身体上の16の点をトラッキングする。ユーザーは自身の姿勢と、運動のための理想的な姿勢とを比較し、それに従って姿勢を調整できる。
ユーザーが運動を続ける間、Kaiaは音声によるフィードバックと映像による指示をユーザーに提供する。 また、ユーザーをアプリ上の他のユーザーと結びつけることもできる。一種のオンラインサポートコミュニティである。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2018年6月26日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
今回取り上げたAIを使ったアプリ『Perfect Squat Challenge』は、リハビリや理学療法における運動療法を適切に行えるようサポートしていくことを目指して開発されたものです。その第1段として、スクワットを適切な負荷で行えるよう、AIがリアルタイムで指導してくれます。
今はスマホの普及もあり、気軽にトレーニング動画などを見本に取り組むこともできるようになりましたが、自分が適切なポーズで行えているのかどうかはわかりにくいものです。運動療法で使用されるトレーニングメニューは、適切な部位に負荷をかけるようにしないと逆効果になるため、必ず専門職に指導してもらう必要がありますが、このアプリにより、手軽に適切なトレーニングが行えるようになっていくと思われます。
技術的には素晴らしい試みといえる『Perfect Squat Challenge』ですが、健康サービスによくある課題として、“正確に正しく”だけを追求しても、ユーザーに受け入れられないことがよくあります。
ユーザーは、誰もがモチベーション高くしっかり取り組もうと考えているわけではありません。できれば、つらい運動療法は避けたいと思うこともあるでしょう。どうやったら運動療法が続くのか?があって、そこに正確なやり方を提供する流れが必要になります。
Kaia HealthのAI活用に組み合わせられる、ユーザー利用ストーリーを描いてみることで、自社ビジネスのヒントが見つけられるのではないでしょうか!?
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツのクリエイティブディレクターとして、健康系プロダクト、アプリ、映像などの企画・制作ディレクションを手掛ける。「Health App Lab(ヘルスアプリ研究所)」所長として健康・医療アプリの研究発表を行う。またウェアラブル機器、ビジネスモデルの研究を行ない、健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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