『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Apple、ユーザーが健康調査に参加できる『Research』アプリを米国でリリース”
Appleは2019年、聴覚、女性の健康(月経と妊娠)、身体機能と心臓の健康の関係という3つの分野を対象とした新しい研究調査に力を入れている。Appleは9月、これらの研究調査のポータルとして機能する『Research』アプリを発表し、米国でダウンロード提供された。
Appleは、他の手段では得られない実際の健康情報を入手することを目的に、主要な大学病院や医療機関と提携してデータを収集している。ほとんどの場合、医師に紹介されるか、自分自身で探し出さない限り、平均的な人々がそうした研究調査に参加することはない。「iPhone」や「Apple Watch」を所有している人なら誰でも参加できるようにすることで、より広範囲にわたるデータを取得することが可能だ。
現在、「Apple Hearing Study」、「Apple Women’s Health Study」、「Apple Heart and Movement Study」の3件の調査について参加を受け付けている。
記事原文はこちら(『CNET Japan』2019年11月15日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
一般人が自ら調査に参加して膨大なデータが手に入る。必死にデータを集めている立場からすると羨ましい限りですね!スマートウォッチ市場の半分を占める「Apple Watch」だからこそできるやり方と言えるでしょう。
一般コンシューマもそうですが、研究者に使いたいと思ってもらえることも重要です。健康に関連するデータである以上、ベースとなるのは研究者による研究結果です。
通常はメーカーやサービサーが大学など研究機関に持ち込んで研究していきますが、「Apple Watch」や「Fitbit」などはそれだけではなく、研究者が率先して研究に利用し、数多くの論文を発表してくれています。
これはコンシューマ市場で受け入れられているからこそ起きる現象です。多くの人が使っているなら、参加者にデバイスを用意しないでも持っている人で実証をはじめられたり、研究でよい結果が出たなら、普段使っているデバイスで対象者にすぐにその研究結果を取り入れてもらうこともできます。
「Apple Watch」や「Fitbit」は、年に数十本もの論文が発表されています。これにより露出も増え、ビジネスに役立ってきます。
特定の研究機関とデータを積み上げるだけでは年に1回発表できるか!? 程度になってしまうこともあります。商品やサービスを売るために活かすのであれば、データが蓄積されるのを待つだけでなく、コンシューマ市場で受け入れられる魅力作りは別に考えて進め、そこから加速をかけるようにしていく必要があります。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、本質的健康経営の社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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