『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます
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“Noom、Livinitiをパートナーに『GLP-1 Companion』を提供”
デジタルで減量をサポートする企業Noomは、同社の営利事業「Noom for Work」で、全国的な薬剤給付管理会社Livinitiと提携し、スポンサー企業やその従業員に、慢性的な肥満に対処するためデジタルを活用した『GLP-1 Companion』を提供すると発表した。
GLP-1(Glucagon-Like Peptide 1)受容体作動薬は、2型糖尿病の治療や、最近では慢性的な肥満への対処に使用される薬剤の一種である。
Noomの『GLP-1 Companion』はPBMプロセスと融合し、栄養に関する指導とフィットネスを重視したレッスンを提供する。
デジタルによる入口と臨床トリアージを活用して、体重が健康状態に影響を与えている会員を特定することで、最も高いリスクを抱えている会員に、直接最も適切なリソースを用意することができる。
Noomに登録した会員は、研修でGLP-1を服用する考えを示すと、個別に設計される『GLP-1 Companion』プログラムを受け取る。また、タンパク質トラッキングツール、カスタマイズされた対話型ミニコース、フィットネス重視のレッスン、あらゆるレベルの取り組みに対応したビデオも利用できる。
加えて、減量の取り組みを進めながら、臨床的に支障なくGLP-1の服用量を上手く減らしていけるように、目標を設定することが可能となる。
「『GLP-1 Companion』を使って減量・肥満ケアプログラムを強化することにより、GLP-1を服用しているすべての人たちが、個別に設計された一体型プログラムを利用できるでしょう。こうしたプログラムは、会員が、服用期間中にライフスタイル、栄養、運動、コーチングなどの点で、これまでよりも質の良い、永続的な習慣を確立し、長期的に成果をあげることに貢献します」と、Noomの医薬責任者Linda Anegawa博士は声明の中で述べた。
医療関係者は、慢性的な肥満の問題に対処するうえでGLP-1が存在感を高めている点を、昨年の医療分野における重要な進展の1つだと指摘する。 Noomは10月に、デジタルを利用した事業展開である「Noom for Work」を拡張して、臨床的肥満管理ソリューション「Noom Med」を組み入れることを発表した。これにより、治療を受ける人たちはそれぞれ、GLP-1への依存を減らすために、肥満ケアに関する訓練を受けた臨床医からカスタマイズされた減量計画とサポートを受けることができるようになる。
記事原文はこちら(『mobihealthnews』2024年1月12日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
トレンドとなっているGLP-1、元々は糖尿病治療で血糖値を抑えるために使われてきましたが、減量における利用が認可されたことで、楽にダイエットができると、利用が伸びているようです。
GLP-1の効果として食欲を抑えられるので、無理な我慢をしないでよいところが受け入れられているわけですが、GLP-1を服用している減量期に、適切な食事を選ぶことも身に付けないと、GLP-1をやめれば、食欲が戻り、元々の太りやすい食生活をしてしまえば、当然リバウンドしてしまうことになります。
今回Noomが取り組むのは、せっかくGLP-1で痩せるなら、健康的に痩せて、減量後もリバウンドしないための支援となります。
このようなサポートは、同じくダイエットプログラムを提供するWeightWatchersも提供をはじめたことからも、需要が高まっていると言えます。
国内でもGLP-1の利用は伸びていますので、同じような課題が発生することは想定できますので、国内に適したサービスのあり方を検討するのは、今後必要になると思います。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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