『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます
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“MWC:スマート シャワーの新興企業 Showee がアクセシビリティに光を当てる”
米国の成人4人に1人以上が、自分には障害があると報告(推定)されている。また英国では、ONSの昨年の報告書によると、調査対象者全体の30%以上がサービスへのアクセスが難しいと感じていると報告された。すべての人にとってより良いアクセシビリティになるよう規制する動きが、ようやく追いつき始めてきた。
その一方で、いくつかの先見の明のあるスタートアップ企業が倍増している。
アクセシビリティを念頭に置いたスマートシャワーを構築しているカタルーニャのスタートアップ企業Showee社も、そのような企業の1つだ。数週間前、Mobile World Congressのスタートアップイベントである「4YFN 2024」でスペイン赤十字のHumanitarian Technology Awardsを受賞した。
Showeeのスマートシャワーは、身体的、知的の両方で困難に直面している障害のある人々のために設計された。高さが調整可能な構造を備えており、濡らして泡立てて乾燥するまでの各ステップをユーザーにガイドするスマートタッチスクリーンも含まれている。
Showeeはハードウェア以上に、それが生み出そうとしている社会的影響に対して賞を獲得し、賞賛を受けることとなった。ユーザーの自主性のレベルに適応することで、安全に多くのプライバシーをユーザーは取り戻すことができる。
シャワーは本来、リラックスできるものだ。あるユーザーは体験談の中で、この体験を“解放的”と表現した。別の証言では、患者を個別にケアするのに十分なスタッフや時間が不足している施設で、看護助手が希望する患者にシャワーをより頻繁に提供できるよう、Showeeが役立つ可能性があると指摘している。
Showeeの目標は、家族であろうと専門家であろうと「介助者の代わりをすることではない」と同社のCEOであるÈric Güell氏述べた。例えば、ユーザーがシャワーを浴びている間ずっとその場にいる必要がなく、Showeeのモバイルアプリを通じて手順を制御し、必要なときや通知されたときだけ入ることができる。
記事原文はこちら(『TechCrunch』2024年3月7日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
この1、2年、各先進国で高齢者対策が勢いを増しています。先進国の中で早くから高齢社会に突入した日本ですが、マーケット的にはうかうかしていられない状況になってきたと言えるでしょう。
今回紹介するShoweeの取組も、高齢者施設、病院、重度の自閉症の人向けのケアセンターなどで受け入れられています。Showeeの取組は今後益々必要とされると思われます。
高齢者でなくても、中高年になってくれば、ちょっとしたことで物忘れするようになるのも自然なことです。例えば、考え事をしながらシャワーを浴びていると、シャンプーをしたかを忘れる。なんてことないでしょうか?そのような「ちょっとした物忘れ」が年と共に日常的になってくるのでしょう。
Showeeのスマートシャワーは、まだ自分でできるが完璧でない人をサポートしてくれます。中高年に差し掛かった人たちが、当たり前に導入していくことで、危険やムダが省かれることに繋がるかもしれません。
また、今までは介助者がやって当たり前だと思っていたことも、少子高齢化により、対応できる人がすでに足りなくなってきています。現在のテクノロジーを駆使することで解決できるものはまだまだあるのではないでしょうか!?
高齢者への対応、そしてその前の年代への対応も考えることで、新たなテクノロジーでビジネス拡大に貢献する可能性は大いにあると言えるでしょう。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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