『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“ FitterflyとGoogle Cloudがコンピュータービジョンを使用した食事記録アプリをリリース”
インドに拠点を置くデジタルセラピューティクス企業Fitterfly社は、Google Cloudと提携して『Fitterfly Klik』というAI機能を開始することを発表した。この機能によって糖尿病患者はGoogle CloudのVertex AIプラットフォーム上のGemini 1.5 Flashによるコンピュータービジョンを用いて食事を追跡することが可能となる。
『Fitterfly Klik』を通じて、糖尿病やその他の非感染性疾患の患者は食事の写真と撮ったりアップロードしたりすることができる。このAI対応のアプリは37,000種以上のインドの食事を含むデータベースをスキャンし、食事を認識・分析する。 このアルゴリズムは一人前の分量を測定し、カロリー量や微量栄養素や主要栄養素の配分の詳しい明細を提供する。
『Fitterfly Klik』のAIはインド料理や世界の料理を特定することができ、ユーザーはアプリ内の食事量追跡フードダイアリーを通じて食事摂取量の記録をつけることができる。
「Fitterfly Food Databaseに接続されたVertex AIのGemini 1.5 Flashによって、『Fitterfly Klik』はたとえ皿の上に複数の料理があったとしても、ほんの数秒で食事量を記録できるようになります。今日のマルチモーダルモデルは、食事のような複雑な問題についても、精度の点で従来の画像分類方法を上回りつつあります。『Fitterfly Klik』はユーザーがより健康的なライフスタイルを構築する上で新たな一歩を踏み出すことを支援します」とFitterfly X-Labsの責任者Ammar Jagirdar氏は声明で述べている。
記事原文はこちら(『MobiHealthNews』2024年7月17日掲載)
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『mHealth Watch』の視点!
ダイエットや疾患管理において、食事記録は重要な位置づけとなるわけですが、食事の記録を日々付け続けることが大変で、途中で挫折する方も多くいます。
10年ほど前から、食事を撮影するとカロリー計算をしてくれるアプリはありますが、決して万能で完璧な解析ができるわけではなかったため、ある程度使い方も特定のメニューに絞るなど、利用者が工夫しなければならない側面もありました。
今回登場した『Fitterfly Klik』は、糖尿病患者の利用に焦点を当てています。糖尿病患者にとって糖質管理は死活問題となりますので、Google Cloudのコンピュータービジョンを活用することで、今まで以上に精度が高まっていることが期待されます。
とは言え、何でも正確に計測できるようものが出来るまでには、もっと技術的進化が求められるでことしょう。
現在最善のもので、ユーザーが無理なく、誤解なく利用できるアフターケアも合わせて提供していくことが、ヘルスケア領域においては重要だと言えます。
『mHeath Watch』編集 渡辺 武友
株式会社スポルツにて健康ビジネスにおけるマーケティングに関するコンサルティング、一般社団法人 社会的健康戦略研究所の理事として、ウェルビーイングの社会実装方法の研究を行う。またウェアラブル機器、健康ビジネスモデルに関する健康メディアでの発表や、ヘルスケアITなどで講演を行う。
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