『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“かむ”を測り、記録するウェアラブルデバイス『RHYTHMI-KAMU』”
今年は多方面から様々なウェアラブルデバイスが発表されているが、また1つ意外な企業からユニークなウェアラブルデバイスが発表された。
10月21日にロッテが発表した『RHYTHMI-KAMU(リズミカム)』がそれだ。
RHYTHMI-KAMUはその名の通り、「かむ」ことに焦点を当てたデバイス。イヤフォン型で、耳に装着すると、内部の赤外線センサーが耳の中の外耳道と呼ばれる部分の形状をスキャンし、その変化から「咀嚼(そしゃく)」の動きを読み取るという。
記事原文はこちら(『ITmedia Mobile』10月22日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、「噛む」を見える化する新しいウェラブルデバイスの記事です。
ロッテが発表した『RHYTHMI-KAMU』は、ロッテらしく噛むことに着目したユニークなウェアラブルデバイス。健康の維持・増進に欠かせない要素が「運動」、「栄養 」、「休養」であり、この3つのバランスを保つことが重要で「健康3原則」とも言われています。
これまでのヘルスケア系ウェアラブルデバイスでは、「運動」と「休養」のデータの取得と見える化へのアプローチは多く提供されていましたが、「栄養」に関してのアプローチが未開拓な状況でした。
そもそもヘルスケアサービス全体を見渡してみても、「栄養」の見える化についはデータの自動取得ではなく、自らの食事記録もしくは入力が基本で、それが記録の継続につながらないひとつの原因であり、大きなハードルでした。
一部、食事画像によるカロリー表示などのアプローチも行なわれていますが、やはりまだまだ手間や精度の点から、「栄養」の見える化に対する根本的な解決に至っていないのが現状です。
食事管理の場合「栄養素レベル」まで管理し見える化するためには、やはり食事内容の細かな記録や入力が必要です。
しかし、食事時間や食事スピードなどの食習慣や食行動レベルへのアプローチであれば、食事内容の細かな記録や入力までは必要なく、食事を行動として捉えることで、データの自動取得や見える化の可能性が拡がります。
今回のロッテが発表した『RHYTHMI-KAMU』は、まさに食習慣、食行動である咀嚼、噛む回数のデータの自動取得と見える化です。
食事の細かいデータが存在しないと「健康3原則」のひとつである「栄養」へのアプローチができないという発想ではなく、食習慣、食行動という切り口であれば、データの自動取得や見える化はまだまだ可能性があるのではないかと、今回のニュースを見て感じました。
必要とするデータのレベル感を見極めることで、食事管理へのアプローチの可能性が拡がる事例になるような気がしています。
今回の『RHYTHMI-KAMU』は、これまでの食事管理の捉え方を変える切り口として、非常に楽しみです。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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