『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“顔から心拍数を測定できる当社の非接触脈波検出技術を(株)電通アプリ「Pace Sync」に提供、共同マーケティングを開始”
旭化成株式会社の融合ソリューション研究所は、非接触脈波検出技術を株式会社電通が2015年3月19日からサービスの提供を開始した、心の緊張を緩和するスマートフォン向けアプリケーション「Pace Sync(ペースシンク)」に対し提供しましたので、お知らせいたします。
融合ソリューション研究所では、センサデバイスと情報処理ソフトウェアを中心としたソリューション開発を行ない、広く社内外の優れた技術と横断的に融合させ、センサーとサービスの架け橋となる、新しい概念の市場価値を創出する取り組みをしています。非接触脈波検出技術は、光学的な脈波検出技術のひとつで、スマートフォンなどのカメラを用いて体表面の皮膚血流から脈波を検出するものです。今般の電通への本技術提供もこの取り組みのひとつで、本技術を電通のマーケティングチャネルを介して市場へ提供し、その後、両社共同で研究開発やマーケティングを同時並行的に進めていきます。
今後もこのような取り組みを拡大させ、バイタルセンシングの利用技術に関してスピード感のある研究開発と最適な市場価値の創出を目指します。
プレスリリースはこちら(旭化成株式会社、2015年3月19日発表)
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、旭化成が持つ、顔の認識から脈波に対応した顔色の微妙な変化を抽出する非接触脈波検出技術を電通の心の緊張を緩和するスマートフォン向けアプリケーションに提供した、というニュースです。
今回特に注目したいのが旭化成の融合ソリューション研究所の取り組みです。この融合ソリューション研究所は、センサーとサービスの架け橋となる新しい概念の市場価値の創出に取り組んでいるようです。
モバイルヘルスを含めたICTヘルスケアの領域を見ていると、優れたセンサーや技術を持った企業、逆にしっかりとしたソリューションを持つ企業、それぞれが存在していて、両方を持ちあわせている企業は少ないように感じています。
優れた技術を持っている企業は、サービス、ソリューションの部分で悩んでいたり、またソリューションを持った企業はソリューションへ導くための技術との連携で困っていたりします。
また、技術思考で展開してきている企業の多くはサービス、ソリューションにアレルギー反応というか、どう手をつけていくべきなのかの部分から悩んでいる企業も多いようです。
逆にソリューションを持った企業はセンサー、技術との連携となると、単純な連携だけではなく、導くためのロジック的な部分も必要になってくるため、これまた二の足を踏んでしまうという状況をよく見かけます。
今回の旭化成の融合ソリューション研究所は、両社の悩みをうまく繋ぐことまで含めて取り組んでいるのは注目すべきポイントです。新しい技術、新しいソリューションをイチから開発するのではなく、いまある技術とソリューションをいままでとは別の視点で繋ぐことでも、全く新しい価値が十分提供できると思います。
この技術とサービス、ソリューションを両方の視点を持って繋ぐ役割こそ、いま必要になってきていると感じています。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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