『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“薬剤師も連携、“アスリートビッグデータ事業が始動”
「将来はウエアラブルセンサーを使ったビッグデータ解析につなげたい」(インフォコム 代表取締役社長の竹原教博氏)――。インフォコムは2015年4月1日、トップアスリートやプロスポーツ選手を目指す若者をターゲットとするスマートフォンアプリ「アスリートストーリーズ(ATHLETE STORIES)」の提供を開始した(リリース)。2020年をめどに100万ユーザーの獲得と、40億円の売り上げを目指す。
クラブチームや強豪校に所属する選手に向けて、まずは練習管理機能やコミュニティー機能を提供する。今後、クラウドファンディングを通じた活動資金支援や、就業支援などの機能も追加。2016~2017年には、ウエアラブル端末などとの連携機能も採り入れる狙いである。これらを通じて蓄積したデータは、スポーツ業界やヘルスケア業界と組み、市場調査や広告、職業紹介などのビジネスに展開する考えだ。
記事原文はこちら(『日経デジタルヘルス』2015年4月2日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回の注目ニュースは、インフォコムがアスリート支援アプリを提供開始というニュースです。
現在提供されているスポーツ、フィットネス系のアプリでは、競技ごとでは区切られているが、その競技の幅広いレベルのターゲットに向けた機能やコンテンツ提供が一般的です。
今回のアプリ『アスリートストーリーズ(ATHLETE STORIES)』は、トップアスリートやプロスポーツ選手を目指す若者をターゲットにした特化型のアプリであり、個人単位でのアプローチではなく、クラブチームや強豪校などの部活動など、あくまでも個人ではなく組織単位での活用による拡がりを狙っているようです。
これまでにもウェブサービス中心に、チーム、サークルの練習、試合などのスケジュール機能やコミュニティー機能、対戦相手を探す機能などのスポーツのチームで利用できるサービスは提供されていました。
しかし、今回の『アスリートストーリーズ(ATHLETE STORIES)』では、トップアスリートやプロスポーツ選手を目指す若者にとって必要とされる知識のひとつ「ドーピング」に関しても、薬剤師やスポーツトレーナーと連携し、アプリでサポートしていくようです。
今回のインフォコムの取り組みでは、ターゲットを絞り込むことで必要とされる機能やコンテンツ、そして使われ方が具体的になってきます。
逆に使う側としては、欲しかった機能があり、またチームや組織での活用ということで使用頻度が高まります。
その結果、データが集まるという仕組みが成立するため、インフォコムとしては、以下の3つのビジネスを想定しています。
1.アプリを通して集まるアスリートのデータを活用した「市場調査ビジネス」
2.アスリートのデータを分析してアスリートに合った広告を提供する「広告ビジネス」
3.アスリートのデータを分析して企業をマッチングする「職業紹介ビジネス」
「ビッグデータ」に注目が集まっていますが、価値あるデータをいかに集められるかがポイントになってきます。
その集めるポイントは、やはり使ってもらえるサービスであったり、機能なのだと思います。
そこを磨かない限り、価値あるデータは集まらないでしょう。
トップアスリートやプロスポーツ選手を目指す若者をターゲットにした『アスリートストーリーズ(ATHLETE STORIES)』には、そのヒントがあるような気がします。
『mHeath Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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