『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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『朝の疲労感と睡眠の質に関する調査』
“疲労感”を感じる人の約 6 割が「朝バテ」!睡眠の質が影響も”
ファンケルは、2021年9月17日(金)から9月21日(火)の間で、全国の 20 代から 50 代の有職者男女 1,000 人を対象に、朝の疲労感と睡眠の質に関する意識調査を実施しました。
<調査結果のサマリー> ※調査結果の詳細は後ページ参照
① 約 8 割が日常生活で疲労感を実感。
そのうち、朝起きた瞬間から疲労感を感じる「朝バテ」を約 6 割が実感。
※以下「朝バテ」を実感している人に限る
② 約 6 割が 1 年以上前からほぼ毎日「朝バテ」を実感。
③ 「朝バテ」を実感している人の約 8 割が「睡眠の質」に不満。
④ 約半数の人がコロナ禍の影響で「朝バテ」を実感することが増えたと回答。
⑤ 「朝バテ」を実感している人の約 6 割は、家族にあたってしまうことがあると回答。
本調査の結果、多くの人が日常生活で疲労感を感じていることが分かりました。また、朝起きた瞬間から疲労感を感じている「朝バテ」の人が約 6 割もいることが判明しました。さらに 1 年以上前からほぼ毎日「朝バテ」を実感している人が半数を超え、睡眠の質に満足していない傾向が見られました。
「朝バテ」対策には、睡眠の質を向上させることが重要だと考えられます。
プレスリリースはこちら(株式会社ファンケル 2021年10月20日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、朝の疲労感と睡眠の質に関する調査のニュースで、この調査結果では、コロナ禍での影響も調査しています。
睡眠については多くの人の関心ごとであり、ヘルスケアサービスの中でも睡眠をテーマにしたサービス提供が多いのも事実です。
この睡眠関連のサービス提供では、ウェアラブルやスマホ、マットなどを活用して睡眠時間や睡眠の質のデータを取得してアプリで見える化するサービスと、睡眠を改善するためのソリューションを提供するといったサービスに分類されます。
睡眠をテーマとしたサービス提供の難しさとして挙げられるのは、前者の見える化からその先である改善、ソリューションが、複雑に絡みあっていることです。
睡眠には、年齢や環境、生活習慣などさまざまな要因がかかわっていると言われています。そのため、一つの改善、ソリューションだけでは、なかなか根本的な睡眠の改善につながらないケースが存在するからです。
今回の調査結果の中でも、コロナ禍の影響で、朝に疲労感を感じることが増えたという人が47%となっています。
普通に考えれば、テレワークの影響で日中の活動量、歩行量が減ったことで、睡眠の質に影響が出ているのではないかと考えられますが、その他にもストレスや不安などのメンタル的な影響も考えられるため、実際に今回の調査結果だけでは具体的な原因を見つけることができず、やはり具体的な改善、ソリューションにたどりつけないということになります。
睡眠時間が長ければ睡眠の質が良いかというと完全に一致するものではなく、睡眠時間さえ確保できれば、朝の疲労感を抑えられるということでもないと思います。
睡眠の見える化は様々なツールを活用して可能になってきましたが、やはり見える化のその先にある改善、ソリューションの提供に結びつけるためには、現状の睡眠の見える化から一歩踏み込んだ「睡眠課題の見える化」までが必要なのではないかと考えています。
見える化→改善、ソリューションへと導くためには、見える化の精度の向上や、組み合わせなど、新たな切り口、アプローチが必要なのではないかと、今回のニュースを見てあらためて感じました。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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