『mHealth Watch』では、ここ最近で公開されたニュースから「注目ニュース」をピックアップし、独自の視点で解説していきます。
今回注目したニュースはこちら!
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“Apple Watchで取得した睡眠データから睡眠課題を深掘り!『セルフバンク』で課題分析コンテンツと栄養アドバイスをリリース”
寝つき、中途覚醒、寝起きの課題スコアと分析コンテンツを追加しました。
“事前予防・セルフケアの文化を作る”をミッションに掲げるセルフケアテクノロジーズは、睡眠記録・測定・改善アプリ『セルフバンク』に睡眠課題を深掘りするための課題分析コンテンツと栄養アドバイスを追加しました。
・開発背景
睡眠記録アプリ『セルフバンク』を運営する中で、ユーザー様に「睡眠に課題がある」「睡眠の質が低い」という自己認識があったとしても、具体的にどのような対策を打てばいいか分からない、というお声をいただいていました。
そこで『セルフバンク』では、Apple Watchから取得して自社で独自解析している睡眠データを元に、睡眠課題を寝つき・中途覚醒・寝起きの3つにブレイクダウンした上で、それぞれの課題スコアを算出する新機能をリリースしました。
また、その課題の原因を深掘りするために、分析コンテンツをご用意しました。
さらに、睡眠データと分析コンテンツに入力いただいた内容を元に、分析結果ページで生活習慣改善のアドバイスと摂るべき栄養素を解説しています。
これにより「睡眠データは分かったけど実際に何をしていいか分からない」というユーザー様の課題を解決してまいります。
プレスリリースはこちら(株式会社セルフケアテクノロジーズ 2022年6月21日掲載)
※記事公開から日数が経過した原文へのリンクは、正常に遷移しない場合があります。ご了承ください。
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『mHealth Watch』の視点!
今回注目するのは、Apple Watchで取得した睡眠データから、睡眠の課題を分析し、解決に向けたコンテンツとアドバイス提供に関するニュースです。
これまで睡眠の見える化ということで、睡眠時間や睡眠の深さなどの状況をウエアラブルデバイスやアプリを活用したサービスは数多く提供されていましたが、それらの多くはデータの見える化までで、実際の睡眠の改善に向けた具体的な取り組みの提案までアプリやサービスでしてくるのは、少なったのが実情でした。
このニュースの中の「開発の背景」の中にある通り、睡眠に対して「具体的にどのような対策を打てばいいか分からない」というのが、睡眠の見える化アプリの多くの利用者が感じていたことで、実際に私も同じ感覚を持っていました。
睡眠の見える化アプリやサービスの「具体的な対策」まで提案されていないことは、アプリやサービスの「継続利用」に大きく影響しているポイントだったのではないでしょうか?
睡眠のデータは、何回か測定するれば、ある程度自身の睡眠時間や質は、計測してなくてもだいたいのことは感覚的に把握でき、また睡眠は日々で大きく変化するものではないため、睡眠に課題や悩みを強く感じている人でない限り、毎晩計測してデータを確認することの意味が見出せななくなり、継続しなくなるというパターンが多いのではないかと考えます。
しかし、睡眠関連のアプリやサービスが睡眠の見える化から具体的な対策の提案まで行えていなかった理由としては、睡眠については、複雑な要素が絡み合っていて、一つのソリューション(具体的な改善)だけでは、改善が難しい領域だからだと言えます。
睡眠の改善には、身体的なことはもちろんですが、メンタル的な要素、そして光や照明も影響しますし、温度などの空調や環境との関係も深く、また当然寝具も関係してくるなどなど、睡眠には多くの要素が関係しているのです。
今回のアプリでは、Apple Watchから取得データを元に、睡眠課題を3つに分類しプラスしてヒアリングによる分析を行うことで、生活習慣改善のアドバイスと摂るべき栄養素を解説するといった具体的な対策まで提示するということで、睡眠の見える化から一歩踏み込んだ改善、対策をデータを活用して、パーソナライズに提案しています。
今回の生活習慣改善のアドバイスや摂るべき栄養素の解説が、どこまでの内容になっているのかまだわかりませんが、見える化から一歩踏み込んだ対策の提案ということで、ソリューションにつながっている点は、注目すべきポイントです。
見える化から一歩踏み込んだソリューションの提案までが、課題を抱えている利用者にとって本当に必要なサービスなのです。
見える化からソリューションの提案までが、ヘルスケアサービスを提供する上ではセットして考えるべきポイントであり、これからはソリューションがアプリやサービスの利用の選択のポイントになってくると思います。
『mHealth Watch』編集委員 里見 将史
株式会社スポルツのディレクターとして、主に健康系ウェブサイト、コンテンツなどの企画・制作・運営を担当。また『Health Biz Watch Academy』では、「mHealth」のセミナー講師として解説。(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
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